理事長挨拶

麗春の候、皆様におかれましてはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。


さて、思い返せば、私が大学を卒業し山口に戻ってまいりまして、新山口ターミナルホテルを1985年に開業し、一息ついた1990年頃、この再開発事業の議論が始まったと記憶しております。若かりし頃の私には、にわかには信じがたい話ではありましたが、再開発事業は30年かかるといった話が非常に印象に残っております。実際まさにそのとおりで、準備組合の発足から、本日、市街地再開発組合の設立をご報告するまで、足掛け27年の年月が経過しております。

1997年には、私の尊敬する、キャナルシティやベイサイドプレイスにおける街づくりプロデューサーである浜野安広様を迎え、世界的建築家であるマイケル・グレーブス様を訪ね、プレゼンテーションプランを作成していただきました。そのプランはまさに、壮大な計画でした。しかし、当時、日本全国で完了していた市街地再開発事業の多くは、大きな建物に、大型商業施設を誘致し、市街地再開発組合が建物を所有、家賃収入を得るような事業スキームとなっており、厳しくなる社会・経済事情にはそぐわないものが多くあるように感じていました。

そのため、市街地再開発組合が建物を継続所有するのではなく、保留床を取得した事業者の責任で運営する事業スキームに、舵を切ることといたしました。

 2019年、本組合の前身である準備組合の理事長を私が拝命し、1年以内に都市計画決定までもっていく。できなければ理事長はやめるし、再開発も中止する。という不退転の覚悟にご賛同いただいた組合員の皆様は大変に心強く、都市計画決定において多大なるご尽力を賜りました山口市役所の皆様、そして、事業推進の過程でお力添えを頂いた多くの皆様のご協力があり、2020年春、無事、都市計画決定を受け、さらに約1年が経過した本年2月16日、山口県知事から市街地再開発組合設立に係る認可を受けたところでございます。 

渡辺市長の肝いりで始まりました【ターミナルパーク整備】により、新山口駅南北自由通路や北口駅前広場、南口駅前広場が非常にきれいで快適に過ごせるようになりました。そして、先日、この山口市産業交流拠点施設(KDDI維新ホール等)がオープンするなど、公共投資によって街の様相が大きく変わる期待感のなか、新山口駅周辺エリアの価値をより一層高める一助として、この再開発事業を必ずや成功に導くべく、決意を新たにしたところでございます。本再開発事業によってもたらされる効果を地域住民や経済界が実感され、第2、第3の再開発事業がスタートするきっかけとなり、渡辺市長が目指されます山口県ナンバーワンのビジネス街が早期に実現できるよう、その起爆剤になりたいと考えています。

今後、権利変換手続き行い、来年夏頃を目標に建築工事に着工できるように進めてまいりますので、今後とも渡辺市長をはじめ、関係各所の皆様方、そして地域住民の皆様方の一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願いし、私のご挨拶とさせていただきます。

令和3年4月24日 (設立報告会挨拶より抜粋)

新山口駅北地区市街地再開発組合

理事長 石田 光一郎